高圧電力ユーザーや複数のテナントを管理するビル管理会社は、一般的な家庭の電気料金計算にはない、特有の課題があります。これらの課題は、資金計画や公平な料金計算、正確な原価計算、コスト削減などの面における障害になることが往々にしてあります。
電灯契約の一般家庭では、月々の電気料金も大して高額でないうえ、検針日に「電気使用量のお知らせ」で請求予定金額が知らされるので、料金支払いに苦労している話はあまり聞きません。
しかし、高圧電力のお客様の場合、月々の支払いが450万円から3,000万円と、経費の中でも大きなウエイトを占め、請求金額の通知が遅いため
- 毎月の資金計画が立てにくい
- 検針後20日以内の早収期限に遅れると3%の遅収課算金額が発生する
などの対応に苦労しております。
従って毎月の電気料金を一日も早く知ることは重要な解決策の一つになります。
その結果、毎月電力会社のコールセンターには高圧のお客様から料金に関する問い合わせが殺到しており、そのうちの10%前後が3%の遅収課算金を支払っています。
(東京電力の場合は早収期限は30日で、加算率は年率10%の日歩計算になります)
オフィスビルやショッピングモールまたは大規模社宅などの集合建物に対して電力会社は 「内線不干渉」の原則のもとに個別の料金計算は行っていません。あくまでも建物全体に対する電気料金の計算だけを行っています。
個別の電気料金の計算はビル管理会社などが独自の手法で計算を行っていますが、そのやり方は各社各様で、おおむねビル全体の電気料金をテナントの電気使用量に比例して按分するやり方が行われています。
その結果、テナントからは
- 使用量は同じなのに請求額が大きく異なる
- 最大需要電力を引き上げた他のテナントのおかげでその後の電気料金が高くなった
- 省エネの努力をしているのに電気料金の請求にほとんど反映されていない
などの、不公平を指摘されています。
検針日は電力会社の検針員のスケジュールを日割、地割で決めて、毎月一度は検針できるように設定されています。お客様の都合に合わせて検針日を設定することは現在の検針員を使った制度では不可能です。
お客様が希望する代表的な検針日は
- 社内決算に合わせた検針をしたい
- テナントへの請求を月末にやりたいので、月末に検針をしたい
- 原価計算をきちんとやっているので原価計算のサイクルに合わせて検針したい
などがあります。
電力会社との契約期間は最短で1年となっています。(1年未満の契約の場合は臨時電力となります) 1年過ぎますと別の契約種別に変更できることになってますが、殆どの場合電力会社から契約種別変更の提案もないので、同じ契約を継続しています。
過去の使用実績を使用して最低価格の契約種別を選択してみたくても、電気料金計算のやり方が分からないため選択権を放棄しています。最適契約種別で契約すれば年間の電気料金を大幅に削減できるのにもったいない話です。
- 第3回[2010.07.05]
- オフィスビルのテナントに節電意欲が必要なわけ
- 第2回[2010.03.23]
- 低圧電力と電灯のお客様にとってのメリット
- 第1回[2010.02.04]
- 高圧のお客様にとってのメリット

